※2017年3月時点の情報のため、掲載情報について今後変更となる可能性があります。
ドライブスルーといえば、ハンバーガーやコーヒー、うどんなどのファストフードを思い浮かべますが、公衆電話のドライブスルーがあることをご存知でしょうか?
場所は日進市役所近くの県道沿い、NTT西日本日進電話交換所の横。携帯電話の普及などで公衆電話そのものが姿を消しつつあるなかで、今も現役で活躍中。その希少性から、ひそかな人気を呼んでいます。
エリア内には、ドライブスルー公衆電話が2台設置されている。
近年、銀行のATM、メガネ、調剤薬局など、変わりダネのドライブスルーが次々と出現しています。変わりダネといえば、「ドライブスルー公衆電話」もそのひとつ。車に乗ったまま公衆電話がかけられるという、珍しい公衆電話です。NTT西日本名古屋支店の広報担当Mさんによると、「日本でドライブスルー公衆電話が初めて登場したのが長野県で、1987年のことになります。愛知県日進市に設置されたのは2年後の1989年4月。当時は携帯電話が普及する前で、通信手段の主流は公衆電話。ドライブスルーはお客様の利便性向上のために設置されたもので、最盛期には全国で数10カ所にあったと言われています。しかし、NTT西日本管内では、現在、日進市と島根県雲南市の2カ所しか残っていません」と言います。西日本エリアでたった2カ所。では、東日本管内にドライブスルー公衆電話は存在するのだろうか?
そんな疑問を解消すべく、NTT東日本の広報に問い合わせたところ、「2012年、山形県に2台あったのを最後に、すべて撤去された」とのこと。ということは、ドライブルー公衆電話があるのは日本でたった2カ所!そのひとつが日進というわけです。エリア内には、ドライブスルー公衆電話が2台設置されている。
総務省の統計(2016年3月末時点)によれば、携帯電話契約数、PHSをあわせた契約件数は1億6048万件で、日本の総人口1億2711万47人(2015年国勢調査)に対して123.1%の値となり、1人で複数台もつ人が増えていることがわかりました(ちなみに日進にドライブスルー公衆電話が設置された1989年の携帯電話普及率は0.2%)。公衆電話の必要性はますます低くなり、台数も減っていくことは時代の流れなのかもしれません。こうした中で、このドライブスルー公衆電話の利用者はどの位いるのでしょうか?前述の広報担当Mさんの話では、「1日の利用者数や売上げは公表できませんが、周囲に公衆電話が無いという状況も手伝って、毎月ある程度の利用はある。今後も存続させる予定です」とのこと。嬉しい限りです。
10円玉と100円玉、テレホンカードでの利用が可能
地上1メートルほどの高さに設置された電話機。受話器のコードも通常の公衆電話より長くなっている。