※2022年4月時点の情報のため、掲載情報について今後変更となる可能性があります。
御嶽山といえば岐阜県と長野県の県境、標高 3,067 m の木曽の名峰です。修行の霊山としても有名でその御嶽山から分霊した山が日本全国に存在するのはご存知ですか。ここ岩崎御嶽山もその一つ。
地元では日進御嶽山とも呼ばれています。標高 131m って、とっても低い山ですね。山頂には江戸時代に勧請された岩崎御嶽社が置かれています。
現在「平成ふれあいの森」として、また岩崎町の散策コースとして親しまれ、地域の方の心の拠り所として大切にされているようです。さっそく登ってみましょう。
御嶽山入り口、石柱には御嶽山参道とあり
登り口から 120m 位先に岩崎御嶽社の駐車場。
トイレ、休憩所あり
県道 57 号、弁天池北交差点を東に折れ直ぐの Y 字路の右に御嶽山参道の石柱が立っています。
案内板には平成展望台、出会いと憩いの広場、岩崎探訪コースなどの表示。すぐ左手石垣の間が山中に続く間道。ここから 120m 程坂を登った左側に大型バス 4 台、乗用車 20 台が駐車できる岩崎御嶽社の駐車場があります。参拝者用トイレと休憩所も併設。下からの間道はここに繋がり、御嶽山信仰の講と呼ばれる建物や石碑、像が立ち並んでいます。石碑には「霊神」とあるので霊験や御利益のある神。父祖を神として祀っているのでしょう。
駐車場から「あじさい遊歩道」を 200m 程歩くと岩崎御嶽社の山道の入り口です。左手に鳥居、その反対側に「出会いと憩いの広場」があります。
ここから「あじさい遊歩道」として
御嶽神社前まで歩道が整備
駐車場にあった「日進市観光ルート案内図」
ここも「にっしん平成ふれあいの森事業」で整備された場所。日進市観光ルートの分岐点にもなり、南東の日進市内が眺望できます。ベンチも屋根もあるので休憩するにはうってつけですね。この日は週末ということもあり、散歩やジョギングの方と結構すれ違いました。
風の通りも良さそう
広いベンチでゆったりできる
御嶽社参拝の前に、「平成展望台」の方へ、南の細い道を上ってみます。30 台ほどの駐車場になっていますが、なんと言っても目につくのは巨大な弘法大使さま。その存在感に圧倒されます。
まずは平成展望台へ。駐車場のすぐ南側に小道でつながっています。
モニュメントは市内からもよく見える
見晴らしは最高
この展望台は、「にっしん平成ふれあいの森」整備事業の一環として平成 4 年に完成。
展望台の3基のモニュメントは、風・水・土を表現とのこと。
右端のアーチのゲートからモニュメントに向かって通路があり先端が展望施設となっています。天気が良かったこともあり、伊勢湾岸道の名港トリトンも見えますね。ひそかな夜景スポットとしても人気があるそうです。
巨大な弘法大師像はカラフルでダイナミック。コンクリート像彫刻で有名な浅野祥雲作と言われています。そこで偶然出会った細江さんにお話を伺うことができました。
三鈷の松
弘法大師が唐での修業を終えて日本に帰国するとき、「真言密教を授けるのにふさわしいのはどこか」と、手に持っていた三鈷杵(さんこしょ)という法具を天高く投げました。それが遠く高野山まで届き、松の枝に引っかかっていたと伝えられています。その松は「三鈷の松」と名付けられました。
松の葉は 2 本が普通ですが三鈷の松は葉先が 3本に分かれていて、その松葉を持っているとご利益があるそうです。
この非常に珍しい 3 本葉の松が、ここ岩崎御嶽社にもありました。毘沙門天王像のすぐ横です。お守りにするため落ちている三つに分かれた松の葉、ゲットしました。
毘沙門天王像 足元の人の顔がユニーク
細江さんにはそのほかにも色々お話を伺いながら開祖殿まで案内していただきました。さらに御嶽社の山田先達を知っているからと紹介していただけることに。
新参道一の鳥居
十二権現御堂と覚明霊神さま
子宝祈願の十二権現
左手が社務所、正面が開祖殿
一の鳥居の直ぐ上の左側にあるのが子供の主神、十二権現が祀られている御堂。
子宝が授かれるよう「サルぼこ」を奉納し、お祈りする所です。中にはたくさんの小さなお人形が奉納されていました。その直ぐ左側には、御嶽山を開山した一人、覚明霊神が祀られています。
参道に戻り石段を上がります。二の鳥居をくぐると直ぐ手水社と社務所と開祖殿があります。
祭壇の前で先達の山田様
護摩木
ご紹介いただいた 16 代山田先達。ここ開祖殿内には岩崎御嶽山開祖、明寛・名心霊神が祀られています。
とても優しい方で、急な取材でもにこやかに対応していただきました。
現在の御嶽社は平成 3 年に地元岩崎地区の協力のもと本殿、開祖殿、社務所を建て替えました。祭礼は毎年春と秋の年2回、1862(文久 2)年以来毎年行われて地域に密着した祭りになっています。
山田先達のお話では、この御嶽山は岩崎城から見た鬼門にあたり、元々地元岩崎地区のお寺、大應寺(だいおうじ)が山を寄付して歴史が始まったとのこと。当時はハゲ山だったそうで、地元の方が山で薪を取り生活に使うのが普通で、今では考えられませんがマツタケも採れたとか。
現在では鬱蒼とした森に 600 もの講が埋もれるようにあり、現在活動しているのは 10 くらいだそうです。
社務所に面白いものがあるからと案内していただきました。
宮丸講の看板
開祖殿にあるおもかる石
宮丸講と彫られた木製の看板。宮丸講は一番古い最初の講だそうです。古いもので横には明治十三年と刻印されています。講が閉じられた折に出てきたそうです。
外に出て社務所で御朱印をいただきました。
また、一番近い中参道を挟んだ所には先の宮丸講の石柱があり、ここには開祖、明覚・明心を導いた大先達義覚行者像が祀られています。
宮丸講で祀られる義覚霊神像
中参道の階段を上がると正面に本社殿が見えてくる
本社殿
本社拝殿内
岩崎穴不動案内看板
坂を下った所に入り口がある
岩をくり抜いたような洞窟
不動尊石像
本堂に向かう左手に穴不動があります。早速降りてみます。洞穴は暗くて先は見えませんが入口にあるスイッチで照明がつくようになっていました。中を進むと腰を曲げないと入れないほどになり、その奥に小さな不動尊が安置され花が供えられていました。 先達の山田さんに伺った所によると、その昔、不治の病に冒された人が住んでいて当時の先達が献身的に助け世話をしていたことからお助け穴不動と呼ばれるようになったとか。
最後に、山田先達との別れ際のお話に感じるところがありました。「今、御嶽山修行は難しい時代になってしまいましたが、日々の暮らしの中で手を合わせる、物事に感謝する、そんな時間を持って欲しいですね。」とおっしゃっていました。
出会いと憩いの広場や平成展望台、岩崎御嶽社がある「平成ふれあいの森」ですが、本神社の境内になっていることから犬の散歩は禁止されていますのでご注意ください。
※授与所は不在の場合があります。
(電話が不通の場合、日や時間をお改めください)
※御朱印、御守り等は開いている場合のみの対応となります。
護摩木は本殿にもあります。