特集14 マスプロ美術館 ぐるぐるNISSHINプラス
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※2023 年3 月時点での情報です。内容が変更となる可能性があります。

マスプロ美術館を紹介します。

愛知県日進市浅田町のマスプロ電工本社ビル(2002 年竣工)の2 階に、1000㎡の展示スペースを誇る美術館があること、皆さんはご存知でしたか。それが「マスプロ美術館」です。

マスプロ美術館は、マスプロ電工㈱が運営しています。「見え過ぎちゃって困るの~、見え過ぎちゃって困るの~・・・」50 代以上の方にはおなじみのCMで知られるマスプロ電工。この会社、実は全国的にもすご~い会社なんですが、その割に市内でもそこまで知られていないかもしれません。そこでマスプロ美術館だけでなく、マスプロ電工もまとめて紹介します。

マスプロ電工は
国内シェアトップクラスのアンテナメーカー

マスプロ電工と端山孝の歩み展示スペース

マスプロ美術館内にあるマスプロ電工と端山孝の歩み展示スペース

マスプロ電工は、その代名詞ともいえるテレビアンテナからテレビ端子まで、テレビ受信関連機器で、トップシェアを誇ります。

創業は、1953年8月、創業者故・端山孝(はしやま たかし)氏が、名古屋市守山区の自宅で「マスプロ技研工業」を創立。今年(2023年)は、創立70周年の節目を迎える歴史ある会社です。カラーアンテナの発売を皮切りに、衛星放送、地デジ、4K・8K放送と、テレビ放送の多様化に合わせて各種テレビ受信機器を自社で研究・開発。創業から半世紀以上、マスプロ電工は常に業界をリードしてきた、まさに電波のプロフェッショナルと言える会社です。

最新技術の体験コーナー

最新技術の体験コーナー

さらにその技術を生かして、IoT やセキュリティ分野にも事業を展開しています。新たな分野でも順調に業績を伸ばしているすご~い会社なのです。

マスプロ美術館には、マスプロ電工の歴史の紹介や最新製品の体験ができるスペースもあります。

マスプロ美術館は
創業者のこだわりが詰まった美術館。

マスプロ美術館入り口

マスプロ美術館入り口

マスプロ美術館受付

マスプロ美術館受付

マスプロ電工の正門から入り、左手の新しい建物が本社ビル。その受付がマスプロ美術館の入り口です。入場料金は大人500 円、学生250 円。三つ折りパンフレットと「140 年前の東京ガイド」を受け取ります。2 階に上がる階段の手前でパンフレットをかざすと、右手の液晶画面にお出迎えのメッセージが。実はこのパンフレットにはRF タグが貼られていて入退場情報が瞬時に記録される仕組み。こんなところにもマスプロ電工の技術が光っていますね。

「140年前の東京ガイド」

RFタグが貼られているパンフと「140年前の東京ガイド」

RFタグに反応して案内が表示されます

RFタグに反応して案内が表示されます

テキスト

2 階のエントランスに立つと、大迫力の横浜港の錦絵が展示されています。フォトスポットもあるので、美しいアートを背景に映(ば)える写真を撮りたい方におすすめです。

テキスト
テキスト

館内は撮影やスケッチは禁止ですが、今回取材の為特別に撮影しています。

特に見応えがあるのは浮世絵で、幕末から文明開化の時代の東京・横浜の様子を生き生きと描いた絵や、東京に開通したばかりの鉄道馬車、当時の銀座の様子を描いた絵は、歴史の教科書にも登場するほど。

その他にも、猿投古窯の技術を受け継ぐ瀬戸や美濃の古陶磁、有田の古磁器などを所蔵・展示しています。陶磁器の目玉は、平安末期に南宋から平重盛に贈られたとする青磁の茶わん。かすがいをイナゴ(蝗)に見立て、「馬蝗絆(ばこうはん)」と呼ばれるもので、歴史的にも大変貴重な作品です。

美術館を造ったのは、マスプロ電工の創業者端山(はしやま)孝氏。
「日本の夜明けは明治にあり」と、その時代の社会や経済の様子がわかる開化絵を自ら収集し後世に残すため、1975年、それらの作品を展示する美術館を本社内に開館し、館長を務めました。展示品に付けられた解説も自身の執筆とのことで端山氏のこだわりが詰まった美術館と言えますね。端山氏の功績を紹介するコーナーもあります。

2020年にリニューアルオープン

2020年にリニューアルオープン

2020年には、展示をよりわかりやすく充実させてリニューアルオープン。「錦絵」とも呼ばれる極彩色の浮世絵で、まるで140年前の東京にタイムスリップしたかのような感覚で鑑賞できるようになりました。

「東京開化絵」のコーナーは、錦絵に描かれた場所を、現在の東京都の区ごとに分けて展示。明治時代に実際に刷られた東京の地図を元に編集した「140年前の東京ガイド」を見ながら展示をめぐると、現在の東京のどこなのか、見当をつけながら、当時の風景との対比を楽しめるよう工夫されています。
明治当初の東京・銀座の資生堂を描いた、広重(三代)の「東京名所寿留賀町三ツ井店両側富嶽眺望之図」は、文明開化の様子を身近に感じることができます。

「横浜開化絵」は、開港をきっかけとして新しく造られていった横浜の街や、外国人たちの容姿や生活など、変わりゆく横浜を描いた浮世絵を時代ごとに3章に分けて展示。多くの作品のなかでも、開港から間もない横浜港を描いた、歌川貞秀の「横浜交易西洋人荷物運送之図」は、当時の交易の様子がとても具体的で見応えがあります。躍動感あふれる「横浜開化絵」を代表する作品です。

このほか「江戸期美人画」、熊本から北海道まで各地の名所・名物を描いた浮世絵「地方開化絵」コーナーもあります。

神名川横浜新開港図(貞秀)

神名川横浜新開港図(貞秀)

江戸期美人画コーナー

江戸期美人画コーナー

一般的にはあまり知られていると言えないマスプロ美術館ですが、収蔵作品は2000点もあり、そのうち600点を展示しているそうです。コレクションは見応えがあり、展示方法も魅力的。まさに個性あふれる穴場の美術館でした。夏には親子で楽しめる企画展の予定もあるとのこと。ぜひ、足を運んでみてください。

<マスプロ美術館>
所在地:
日進市浅田町上納80 番地
開館時間:
マスプロ電工の営業日と毎月第2、第4日曜日に開館
(午前9時~午後5時)
入館料:
一般500円、学生250円
電話番号:
052-804-6666
アクセス:
地下鉄鶴舞線「赤池駅」より
名鉄バス日進中央線「浅田東」下車

詳細はこちら https://www.maspro.co.jp/museum/

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